

11月30日、2005年最後の第14回「広報塾」は東京・平河町の全共連ビル会議室において開催いたしました。
第1部は、1981年の創立以降一貫してIT産業にフォーカスした報道を行っているBCNの創業メンバーであり、IT報道の世界で長年の経験を持つ週刊BCN編集長 田中 繁廣 氏に好ましい報道をもたらす広報の秘訣を媒体編集者の立場から紹介いただきました。
第2部では、日本オラクル株式会社コーポレート・コミュニケーション室 広報部ディレクター玉川氏に、同社の戦略的な広報活動の概要を紹介するとともに、常に厳しい評価にさらされる外資系企業の広報担当者がどのような視点で日々の広報の仕事を進めているのか。その考え方と手法を紹介していただきました。
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[第1部]
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講演テーマ:「マスコミからみた"頼れる広報"と"ダメな広報"」
講 師: 株式会社BCN 取締役編集統括部長/週刊BCN編集長
田中 繁廣 氏
http://www.bcn.jp/
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データを基に客観的に分析されたIT流通誌「週刊BCN」。そのデータ分析は、日々18社2,000店舗の大手量販店からPOSデータをもととしており、一般のパソコン誌と比較すると、読者の性別・年齢の幅が広く、信頼されるフリーペーパーとして広く読まれています。
消費者の購買時の心理について田中氏は「消費者は、購買する商品の選択にあたり二つのことをポイントにする。」と述べられ、第一に価格、第二に購入する商品に価値があるのかが、購入の大きなポイントになっていると分析されています。そのような背景のもと、売れ筋ランキングを掲載したフリーペーパーを店頭で配布し、納得できる判断材料を提供することで確実に消費者に読んでもらえるのではないかとフリーペーパーの発行意義について語られました。また、統計でも消費者が購入商品を決めるタイミングは、店頭商品を見て初めて決定することが分かり、店頭は最高の認知媒介であるとされています。
今や、フリーペーパーは世界的ブームとなっており、その背景には、インターネット業界でみられるコンテンツの無料化と広告を収益源とするビジネスモデルが紙媒体にも押し寄せていることが考えられると解説されました。また今後の課題として、狙ったターゲットにちゃんと届いているのか、実部数が出ているのか、といった不透明な点を上げられました。そういった面から、同誌ではWEBサイトを運営し、効果的に読者を集客し、開かれたニュースサイトを目指しておられます。
講演では、田中氏の長い記者経験から感じられる「信頼される企業広報」について掘り下げられ、「マスコミはある時は頼りにもなるが、扱いを間違えれば誤報が伝わり、逆宣伝にもなりかねない。」と言及されました。マスコミとの接し方について第一に、信頼関係の構築が原点であり、さらに、記者は取材先に育てられるものであると語られました。編集部というところは、自分の書いた記事に対して、誰も褒めてはくれないところであり、特に新人記者は不安になる。そういったなかで新人記者は、社内の無反応に耐え、取材先に叱咤激励され育っていくものであると、編集の現場について話されました。そのような環境下で、業界の中で認められる記者は、指南役を持っており、企業広報は若い記者を育てることで、よい記事を生むことができるとのアドバイスに一同はうなずいていました。
また、情報公開時のアドバイスとして、必ず数字の根拠を用意することを薦められました。記者は、納得できれば記事の書き方も変わるものであり、それには、数字を提示することが効果的であると解説されました。数字を公開しにくい問題がある場合は、公開できる範囲で工夫し、ユーザーの年齢変動など記事のネタとなりうる数字や自社にとって有利なデータを用意するようアドバイスされました。
最後に、取材対応の心得として5つのポイントを挙げていただきました。
(1)記事は思い通りにはならない
掲載前の原稿は気になっても我慢。危うい箇所は、取材終了時にその場で訂正をすることが大切。
(2)オフレコは書かれていると思え
オフレコの内容は大事なものほど記事に出る。取材時のちいさな発言も注意が必要であり、一言の重みを認識すべきである。
(3)中途半端な対応はケガのもと
まず取材内容を把握して、時期相応でなかったら断ることも大切であり、無理な取材は逆効果を生む。
(4)記事は信頼関係の鏡
話せるようになったら一番に話す。といった信頼関係の構築が大切。
(5)「貸し」「借り」の人間関係
オフレコ内容については、「差止め」と「リーク」のgive&take関係を重んじることが大切である。
このように、広報担当者はマスコミといかに信頼関係を作れるかが重要であり、あらゆる側面において会社の壁となりマスコミと付き合えるかが勝負の分かれ目である、と締めくくられました。
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まず、オラクルの戦略的買収と売上増による成長戦略について、次に日本法人である日本オラクルの常に企業価値を上げていく経営方針について解説していただきました。
同社では、会社の成長に貢献していくことを広報活動の目的とし、無形資産であるブランド価値・認知度・親しみ具合といった要素が影響しあうことに注力した戦略的広報活動を実施されています。
その戦略とは、自社の戦略に基づき設定されたゴールに到達するための方法論と、競争相手に克てる妥当な方法論を決めていくことであり、KPI(重要業績評価指標)に基づいた評価方法の設定で、自身の活動評価を数値化し、また競争相手の広報活動の分析を徹底的に行っていることを紹介されました。
さらに、新たな方法論の開発としてメッセージの発信法について次のように解説されました。メッセージとは同じ事を、「異なるときに」「異なる場所で」「異なる方法で」何度も届けることでやっと伝わるものであり、シンプルで分かりやすいメッセージを、繰り返しリズミカルにインプットすることが効果的である。との話に、会場の参加者は熱心にメモをとられていました。
続いて、日本メディアとの付き合い方について外資系IT企業の視点から解説していただきました。
IT企業広報への評価要件として共通しているのが「迅速な対応」であり、これは締切りを抱えている記者にとっては必須条件であります。また、駄目なものは駄目だときちんと断れる広報の姿勢も、メディアから求められています。期待要件としては「提案型の広報」を求める意見があり、例えば「ニッパチ」と言われている2月8月は、閑散期のためこの時期に提案型の情報公開をすることで、掲載のされ方も変わってくるのではとアドバイスをいただきました。
このような活動の結果、日本オラクルのマスコミからの評価は非常に高く、リリースの評価も豊富なボキャブラリーや、要点を押えたスタイルが記事化しやすいとの評価を得ていると分析されています。
また、対外広報は、組織と情報発信の目的とを連携させ、外に向けてメッセージ発信すること、発信先との間で情報を交わし、影響しあえる関係の構築を目的としていることについて解説をいただきました。
対内広報については、対外広報とは異なり、事業継続性への理解や企業文化の醸成を促進することが目標であるということ、具体的な施策として「社長と全員話そうキャンペーン」といったトップと社員との交流会が実施されていることを紹介されました。
さらに、メッセージをいかに説得力をもって発信できるかということに注力されており、継続的な発信のために、分かりやすく、業界に影響を与えられるようなオピニオンリーダー的存在の育成をしている取り組みを紹介していただきました。またテクニックの取得だけではなく、メッセージ伝達力を強化するためのメディアトレーニングを重要視されており、実に積極的な広報活動をされていることが伝わってきました。
講演中、一貫して感じられたことは、広報は企業を引っ張り、成長へと導く重要なポジションであるということでした。
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